変形した耳を手術して自然な形に戻したい …
- 耳とその周囲のトラブルに関して様々なご相談をお受けしています
- 外耳(耳介や耳垂)や耳周囲の皮膚と耳介軟骨を治療の対象とします
- 耳の聞こえ方(聴力)や耳の穴の内部は耳鼻科の領域です
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いわゆる「柔道耳」(スポーツ外傷後の花キャベツ状耳)や事故・暴力などによる外傷後の耳介変形、「耳介血腫・耳介偽嚢腫」などによる耳(耳介)の変形を治療する手術を数多く行っています。
先天的な耳の変形である「スタール耳」「尖耳」「折れ耳」「立ち耳」「耳垂裂」などの手術も専門的に行います。
「耳介ケロイド」やさまざまな耳のできもの(耳介腫瘍)を切除したり、ピアスによる耳切れの修復、腫瘍切除後・他院での不十分な治療による耳介変形を治療することもできます。
大きすぎる耳や耳たぶを減量したり、形を変えたりすることもできます。耳の形に悩んだら一度ご相談ください。
下に挙げた不自然な形の耳の写真は、大江橋クリニックで治療する前の耳のごく一部です。
耳の手術は難易度が高く、きれいに治った患者さんもいれば劇的な改善は得られなかった耳もあります。それぞれの耳がどのような治療経過を辿ったかをみていただくためには、それぞれの写真をクリックしてください。
※ 現在のところ経過を見られる写真はまだわずかです。詳細が見られるようになればリンクを貼ります。順次準備を進めがんばってアップロードしていきますのでしばらくお待ちください。
左:柔道耳を直せると思わず25年以上放置していた(リンク先は別ページ)
中:柔道耳の変形を大阪大学形成外科で手術したがあまり改善しなかった(リンク先は別ページ)
右:発達障害あり作業所の仲間に5年間暴行を受けて変形した耳
左:DVで家人に複数回暴行を受けて両耳が変形した
中:S美容外科で立ち耳の手術を受けたが結果が良くなかった
右:軟骨ピアスが化膿して膿がたまり、軟骨炎で軟骨が溶けた
左:ピアスケロイド、海外在住で医師にかかれず数年で大きくなった
中:ピアスケロイドに大阪船員病院で1年間ステロイド注射後部分切除したが再発し、注射を再開し数年経っても小さくならない
右:軟骨ピアスが化膿して治った後ケロイドになった
左:ピアスケロイドをH病院で2回切除して耳たぶがなくなった
中:生まれつき耳たぶがなく、耳たぶのところに穴が空いている
右:生まれつき耳たぶが割れていて接着剤でつけると皮膚がかぶれる
左:スタール耳、左右で形が違い左は中央部が後ろにそりかえっている
中:ごく軽度のスタール耳、後ろから指で押したように膨らんでいる
右:耳の縁を裏返したような形だがスタール耳の一種と思われる
左:軟骨が小さく折り畳まれ耳たぶも欠損した軽度の小耳症の一種
中:耳輪の最上部が皿のように窪んだ珍しい変形、立ち耳を伴う
右:対耳輪の上脚が欠損し強く折れて尖耳を伴っている
左:軽度の両側の立ち耳を寝かせすぎず両方の立ち方をそろえたい
中:対耳輪の中央部が窪んだ立ち耳は対耳輪を折り曲げても改善しない
右:立ち耳、耳甲介が大きいので対耳輪を曲げても改善しない
左:作業中に角材が当たり腫れたまま引かなくなった陳旧性耳介血腫
中:アトピーで耳を掻いて耳介偽嚢腫となり、次第に萎んで変形した
右:アトピーで耳介偽嚢腫となり、腫れた部分が萎んで変形した
このほか拡大したり切れたりしたピアスホールを閉じる手術や、耳たぶの形・大きさを変える(小さくする、大きくする)手術も行います。耳全体の大きさをある程度変えることもできます。(いずれ写真を追加する予定です)
実は耳の形を気にして手術を受けようと決心する方は、目や鼻の形を気に病む方と比べて非常に少数です。瞼の手術や鼻の手術に比べると100分の1以下だと思います。患者数の非常に少ない手術なので、実際に多くの手術を行う経験豊富な医師は全国的にも少数です。(多くの美容・形成外科クリニックのサイトでは、メニューにはあっても簡単なイラストなどだけで詳細な手術の説明や症例写真は見つからないと思います。)
例えば形成外科学会の専門医はおよそ2,000名ほどいます(2020年頃のデータ)が、小耳症など耳の形成手術を主に扱う「日本耳介再建学会」に出席する医師は例年20〜30人程度しかいません。大学病院の形成外科でも患者さんが一年に数人以下という施設もあり、手術指導が行える研修施設は全国でも片手で数えるほどでしょう。
患者さんがお住まいの近くの医療機関で適切な治療を受けられる可能性はかなり少ないと思います。実際、大江橋クリニックには関東甲信越から西日本全域を含む広い範囲から患者さんがおいでになります。東京や名古屋など美容外科医や形成外科医が集中している地方からもたくさん来院します。
近くのお医者さんに相談しても具体的な話がきけない方が多いと思います。以下の説明が参考になれば幸いです。
ここでは、大江橋クリニックで行っている耳(外耳・耳介)の手術治療について概略を説明しています。(それでもかなり詳しいですが😅)
より詳しい説明や、手術以外の耳の治療については下の「特集ページ」をご参照ください。このページにない情報も含め、詳しく🤓書いてあります。
大江橋クリニックで行った耳介形成手術の症例紹介(一部)
※ お決まり:写真は一例です。個人差があり、同様の仕上がりを保証するものではありません。
左から スタール耳(上に上げたのとは別の症例)、耳介血腫、耳介ケロイドの手術症例です。いずれも10年以上前に行った、開業から間もない頃の同種症例の大江橋クリニック第1例目になります。特に最善例というわけではありません。
最近の症例、特に現在治療中のものは患者さんの都合もありまだ整理できていません。
症例写真はあまり多く出していませんが、徐々に追加していきます。手術に伴うリスクや治療の詳細については該当の項目をご覧ください。
大江橋クリニックで行った耳介形成手術の例
※ お決まり:写真は一例です。個人差があり、同様の仕上がりを保証するものではありません。
先天性の耳垂欠損(耳垂裂の高度なもの)に対して耳の裏から組織を表側に回して耳垂を再建しました。
右は術後1ヶ月ほどの写真なのでまだ赤みが強く出ています。
つなぎ目の部分が赤い筋になって見えますが、形が安定して赤みがなくなるともう少し自然になってきます。
耳輪脚にも変形がありますが、それほど不自然ではないため今回は修正していません。
耳介形成手術の治療費について
耳介形成手術の料金表
耳介軟骨は特殊な性質を持っています
耳介軟骨は弾性軟骨といって硝子軟骨(肋軟骨や関節軟骨、鼻の軟骨など)や線維軟骨(顎関節や半月板など)とは違う特殊な性質があり、この性質を持つ軟骨は他には耳の奥の耳管と喉の奥にある喉頭蓋軟骨だけです。 柔らかくて弾力があり、元の形に戻ろうとする性質が非常に強いため力で曲げても後戻りしやすく、戻らないように曲げるには、この性質に対する知識と「コツ」が必要です。
下記のページでは、耳の軟骨を綺麗に曲げるためにどのような工夫をしているか、基礎から分かりやすく解説しています。
以下のリンク先の「耳介形成手術の基礎」のページは、患者さんばかりでなくこの様な手術に関心のある医師の皆さんにも参考になるような技術的なお話や術中写真なども掲載しています。
※ 術中写真等血液の写り込んでいる写真も掲載しています。一般の方にはショッキングな写真もあるかもしれませんのでご覧になる場合はご注意ください。
耳介形成手術の基礎(製作中)
先天性耳瘻管と副耳の手術など
ここには挙げていませんが、先天的な耳の付け根の穴(先天性耳瘻管)をふさいだり副耳の切除手術は、大人であれば局所麻酔で対応できます。
耳介血腫や偽嚢腫は、比較的早期に手術するとほぼ完全に元どおりになります(症例写真参照)。高度に変形した柔道耳はケロイド体質やアレルギー・アトピーなど体質的な原因がある場合も多く、一度できれいに治すのが難しい手術です。大江橋クリニックでは再手術になる場合も改めて診察の上、規定の料金で手術を行なっています。
手術は局所麻酔で行います
立ち耳や耳たぶの形成など 一部美容外科でも行なわれている比較的難易度の低い手術だけでなく、大学病院などでも成功するとは限らない複雑な折れ耳、スタール耳などの形の異常や、柔道耳(花キャベツ状耳)などの外傷による高度な変形、他院術後の変形の修正など、普通の美容外科では対応できない手術も行います。
大江橋クリニックは入院設備がないため、肋軟骨移植を必要とする定型的な小耳症手術や中学生以下の子供の手術は行えません。入院を必要とする手術は大きな病院に行っていただくことになります。最近相次いで名人と言える先生が亡くなったり引退されたりして、ご紹介先に苦慮しています。大江橋クリニックでは局所麻酔で行える外来手術のみを行なっています。
比較的特殊な症例
様々な変形があり、かつては耳介形成で著名であった関西の某有名大学病院(もっとはっきり言ってしまえば当クリニック院長の出身校である京都大学形成外科)で子供の時に耳垂裂の手術を受けたが、あまり良い結果にならず残りの異常も治療できなかった。大江橋クリニックでは軟骨を曲げ直したり位置をずらしたりして、複数回の手術で少しずつ正常な形に近づくよう修正した。中央の写真は耳たぶ、耳甲介、耳輪脚、耳輪のカーブなどを数回にわたり微調整した後、仕上げ手術として細かい調整を行う際の術前デザイン。耳介上部の軟骨が薄く、特に耳輪の立ち上がり部分(点線)がマスクをかけるとゴムの力で折れ曲がって痛いため、付け根の軟骨を一旦切り離し、上にずらして移植し、2枚重ねにして曲がらないよう補強しました。見た目ではなく機能的な改善(マスクがかけられるようにする)を目指した手術となりました。
大学病院の手術が最善とは限りません。耳の症例が少ないため研修医への指導を兼ねた実験的な治療となる施設もあります。また大手美容外科などでも、耳の経験の少ない医師により軟骨の粗雑な切開を受けてかえって不自然な変形を起こしてしまうことがあります。一旦不自然に折り曲げられた軟骨は、出来るだけ元の形に戻して平に縫合してから曲げ直しますが、左右非対称に一部を切り取られていたりすると、なかなか自然なカーブを再現することが困難になります。
耳介血腫で血を抜く処置を繰り返していて感染を起こし、軟骨炎で軟骨が溶けてしまい垂れた耳介を、残った軟骨の位置をずらして移植することにより立ち上げた手術の一例。術後日が浅いため赤みがあります。耳の手術の赤みは3ヶ月くらいのこります。
耳たぶの手術
耳たぶを大きく・小さくするだけでなく、ピアスで裂けた耳たぶの修復や拡張したピアス穴を塞ぐ手術も行っています。
生まれつき小さく頬についた耳たぶを、頬から離して少しだけ大きくした一例。頬への移行部が下に引きずられたようになっているのをやや丸く修正している。他院では耳たぶへの脂肪移植やヒアルロン酸の注入、シリコンプロテーゼの移植等を勧められたということだが、耳たぶに異物を入れると感染の可能性からピアスができなくなると言われたため、大江橋クリニックでの手術を希望した。皮弁術を行なって耳の後ろの皮膚を前にずらす方法で大きくした。皮膚をずらすことで塞がったピアス穴は後で同じ場所に開け直した。
耳のケロイドなど色々な耳介腫瘍を切除したり、他院の美容手術後の変形を修正したりもしています。軟骨移植が必要であったり皮膚移植が必要な耳介形成手術など高難度な手術も行います。
立ち耳の手術について
耳の悩みと治療/立ち耳の手術へ
立ち耳は日本では400人に一人程度生まれると言われ、生後すぐに(できれば生まれたその日から!)矯正しないと大人になってから手術が必要になります。欧米では「奇形」とみなされますが、日本を含めアジアでは正常範囲の変異とみなされ、病気の範疇には入りません。
立ち耳修正では、耳介上部の軟骨に裏から3本ほど切開を入れ折り曲げて後ろに寝かせる方法が主流ですが、その方法ではなかなか自然な形にはなりません。手術書には鋭く折り曲げないようにと注意書きがありますが、実際には切開したところで折れてしまいます。耳介の形は人により、また左右により違うため、大江橋クリニックでは左右それぞれの耳を別々の方向から見たときより自然に見えるよう努力しています。標準的な手術法では対耳輪の微妙なカーブを繊細に表現できないため、少々手間はかかるものの後戻りの少ない方法を工夫しています。
耳たぶの手術はあまり痛みは生じませんが、耳介軟骨を扱うものでは術後数日の痛みは避けられず、痛み止めの内服が必要です。腫れや赤みも場合により術後2〜3ヶ月続くこともあります。しかし最終的に左右差の少ない自然な耳になるように切開線や細部の丸みなどにも気を配っています。
ピアスとピアストラブルについて
ピアス穴を開ける(調整中)
ピアスを開ける際の位置ぎめのご相談などもしています。耳は左右対称でないことも多く、他人から見たときに綺麗に見える位置は自分で鏡を見た時とは違っていることもあります。
PC版サイトになりますが、チャームアップピアッシングのページを合わせてご覧ください。
ピアスに関連する様々なトラブルも扱います(調整中)
ピアストラブル(かぶれや痛みなど)、ピアスの穴ふさぎ、ピアスによる耳切れの修正手術なども扱います。(手術は自費になります。)
ピアスホールにできてしまったできもの(多くはケロイド 上図右)や耳の前後にできる腫れたできものの切除などもしています。