厚い唇を薄くするために口の中で粘膜を切除します。
上下とも手術可能ですが、通常は上下どちらか片方ずつ行います。
粘膜部分は傷が残りにくいですが、うっすら白い線が残る人もいます。
薄くしたい幅よりも1.5倍ほど幅広く切り取る必要があり、術後しばらくは腫れているので、予想通りの結果に落ち着くまでしばらく時間がかかります。
厚みのある唇を少しだけ薄くして 自然な輪郭になった例
上が術前。
下口唇を先に手術し、2週間後に上口唇を少し薄くしました。上口唇を手術してから更に2ヶ月経過した頃の写真が2段目です。上口唇はまだ腫れていて、正面の静止画像ではあまり薄くなっているように見えませんが、下口唇は術後3ヶ月ほどで形は落ち着いてきました。下段の写真はそれから更に1ヶ月経過しています。
多くの場合3ヶ月から半年程度で形が落ち着くので、その間は時々経過を見せていただきます。実際の表情ではかなり差があります(下の説明参照)。
最下段は下口唇から切除した粘膜です。
唇の手術は上下どちらか片方ずつする方が良い
【口唇手術のダウンタイムは見た目よりかなり長いです】
通常唇の横幅全体を切開するため、術後しばらくはしびれて感覚がなく、口紅を塗る感覚がなかったり、食べ物を食べこぼすこともあります。
また、唇を閉じているかどうかが自覚しにくいため、知らない間に口が開いて歯が見えていることがあります。周囲の状況によっては無作法、緊張感がないなどの印象を与える恐れがあります。
感覚低下は徐々に回復しますが、数ヶ月を要することもあります。
このため上下同時の手術はお勧めしません。
切り取りすぎると不自然です
下の写真は他院の症例写真を引用したものです。確かに唇は薄くなっているのですが、薄くしたいあまり中央の切除量が過大になったものと思われます。
バランスとして不自然ですし、力を緩めると口が開いて歯が見えてしまうため、口を閉じるのに常に力を入れている必要があるように見えます。
※ 他院に対する誹謗と受け取られる恐れがあるため、引用元は明示しません。
※ 切除量の決定は慎重に行うべきことを注意喚起する目的で掲載しています。
上記症例の術後の経過説明
下口唇手術1日目 腫れています
感覚はあまりなく、食べこぼしなどに注意が必要ですが、痛みはありません
術後1日目 口を開ければ糸が見えます
ヨーグルトや豆腐などツルッとしたものの方が食べやすく、お粥などは汚れが糸につくので注意が必要です
歯磨きは可能です
術後7日目 抜糸しましたがまだ腫れています
感覚も低下しています
患者さんの希望で約2週間後に上口唇も手術しました(術後1日)
キューピッドボウを強調しています
上口唇術後7日目の抜糸後(下口唇は術後24日)
下口唇は3週間経てば左右に広がるこんな表情も平気になります(上口唇はそれほど左右に引かれないので1週間目でも大丈夫です)
術後約2ヶ月の様子
口を開けると上口唇のキューピッド・ボウがきれいに見えます。
対照的に下口唇の縁はなだらかです。
自信がついて笑顔も見られるようになり、微笑んだ感じも自然です。
笑うと唇が厚いという感じはあまりしません。
5ヶ月ほど経過すると違和感も軽快し、様々な表情も自然にできるようになります。
左(術後5ヶ月)同じような表情の3ヶ月前(右の写真)と比べても、かなり腫れが引いています。
術後半年で一応診察終了です。(口唇のあれの治療中でワセリンを塗っているため白く見えます)。
患者さんは他の美容目的でその後も長く通っていただきました。