大江橋クリニックでは、最適なレーザー治療をリーズナブルな料金で行なう事を心がけております。1回1〜数万円の治療費で1〜数ヶ月に一度患部にレーザー照射します。
症状によって効果に差はありますが、通常は1回の治療ごとに気になっていた色は徐々に薄くなります。治療間隔や回数には健康保険のような制限がありません。具体的な治療法については以下の項目をお読みください。
健康保険での治療をご希望の場合には信頼のおける他の医療機関をご紹介しています
赤あざには様々な種類がありますが(日本皮膚科学会の皮膚科Q&A Q12を参照してください)、主なものについてのみ解説します。
※ 皮膚科学会のページの記述は古く不正確です。分類はさておき、治療法の記述は何十年も前のものです。権威あるページなので引用していますが、鵜呑みにせずレーザーを専門とする施設に相談してください。
単純性血管腫 生まれつきある平らな赤あざ 毛細血管奇形
腫瘍(できもの)ではなく、先天奇形あるいは異常の範疇ですが、慣用的に血管腫と呼ばれています。
毛細血管や、それよりもう少し太い血管が網の目上につながり合い中を血液が流れていて赤く見えます。皮膚の深いところにあると青く見えたり紫色だったりすることもあります。通常は増殖しませんが、成長に伴って大きさは拡大します。
大人になると部分的に盛り上がってくることがあり、厚みも出てレーザー光が届きにくくなるので、お子さんのうちに治療した方が成績はよいようです。数回の治療でかなり薄くなります。しかしあざの性質上、完全に消えるとは限りません。
血管ですからゼロにするわけにはいきませんし、正常部位とは血管の性質や太さ、拡張性なども異なるので、気温や運動、食事、入浴などによっても色調が変化します。日常生活上あまり気にならなくなれば治療は終了して良いあざです。
大江橋クリニックではシナジー・マルチプレックスを用いて治療します。
※ 同じ会社製のシナジーJ とは違う機種です
シナジー・マルチプレックスの特徴は、既存の健康保険適応機種(Vスター、VビームやシナジーJ )等と同等の波長の色素レーザーと同時に、波長1064ナノメートルのYAGレーザーを同じ患部に照射できる事です。
マルチプレックスモードでは、同じハンドピースから色素レーザーに続いてYAGレーザーが一定の時間差で連続して照射されます。
この「色素レーザーパルス>ディレイタイム>YAGレーザーパルス」をそれぞれ調整する事により、単に2種類のレーザーを別々に照射した場合よりも治療効果を上げることが期待できます。
もちろんマルチプレックスモードの単回照射だけでなく、症状にあわせパルス径や照射条件を変えて同じ場所に数回の照射を繰り返すなど、自費ならではの自由な治療法を選択できます。
現在、国内の色素レーザー市場はほぼキャンデラ社のVビームが独占状態です。他の機種も基本的にはVビームと波長・パルス幅が同一なので、治療法の選択の幅がありません。皮膚科学会のサイトにはVビームが効かなければ治療を中止すべきとまで書かれています。しかし、それは健康保険に限っての話であり、保険適応のないレーザーで治療効果のあるものはいろいろあります。
その一つであるシナジーマルチプレックスで治療を行えるのは国内では現在数施設に限られます。(中国や韓国にはたくさんあるのですが。)
サイノシュアー社が国内販売を終了しているので、メンテナンスできる技術者も大変少なくなっており、今後も治療を続けられるかどうか心許ない状況ですが、大変優れた機械です。頑張って保守していきたいと思っています。
レーザー治療費は診察の上決定します
実際の治療に当たっては、細かい面積計算は行ないません。
切手大1万円、名刺大3万円、頬から顎3.5万円、顔面半分5万円(消費税別)などのように大雑把に概算で治療費を決め、患者さんの同意を得て治療を行ないます。
保険治療で決められているような10平方センチ(およそ五百円硬貨2枚分程度)単位で治療費が5,000円ずつ小刻みに上がるようなシステムは採用していません。
小部分のテスト照射は基本料 税込11,000円程度です。診察料、レーザー予約料等が別途かかります。
参考: 健康保険では治療費は面積に応じて基本料27,120円〜最大(180平方センチ:およそ大きめの絵ハガキ大)112,120円(3歳未満は+22,000円)
自己負担(窓口支払い)は通常その30%なので診察料処置料込みでおよそ10,000円〜40,000円程度になります。
苺状血管腫(盛り上がった赤あざ) 乳児血管腫
生まれて数週間目ぐらいから急速に盛り上がってくる赤あざです。
いろいろな治療法がありますが、小さなものでは放置しておいても小学校に上がる頃までに小さく萎んで消えてしまうこともあるため、未だに放置をすすめる小児科医・産科医もいます。(皮膚科学会のページにもそう書かれていますが、上述したように、この記述は古い!です。)
しかし大きく盛り上がったものは、いずれ縮小することが多いとは言っても、完全には消えずに残ることがあります。
顔面など目立つところにあれば、消えないかもしれないのに数年間放置する決断をするのは難しいものです。
消えない場合は大人になってからレーザー治療などを行うことになりますが、皮膚が瘢痕化しているため効果が薄く、結局切除手術の対象になることもあります。
数年前まではレーザー治療が主流でした。レーザー治療の開始時期は早ければ早いほどよく、見つけ次第、できれば盛り上がる前に治療するのが結果が良いようです。
近年では血管腫が生後に盛り上がってくる仕組みの解明が進み、血管内皮の過度な成長を抑える内服薬治療が試みられるようになりました。小児科や小児形成外科主導で重症なものから内服薬治療が行われるようになり、2016年には小児用シロップが発売されたため、今後は内服治療が主体となっていくのではないかと思われます。
ただし内服薬治療では血圧低下など思わぬ全身性の副作用が出ることもあり、入院治療や服用後しばらくの経過観察が必要です。
小さな血管腫であればレーザー治療やドライアイス圧抵治療などの局所療法の方が、結果的には素早く治療を進めることができる場合があります。
ドライアイス治療という選択肢
現在は治療法の主体が内服治療とレーザーに変わったため行われることがほとんどなくなった「ドライアイス治療」ですが、爪甲大の病変など適切に症例を選べば1〜2回の治療で完全に「あざを消す」ことができます。
治療のコツは、あざの大きさに合わせて先を平らに削ったドライアイスの棒を、病変全体に均等に圧がかかるように4秒間強く押し付けます。あとは火傷や凍傷の治療と同じように軟膏を塗ってガーゼで1週間覆います。痛みがあるのが欠点ですが新生児期に行えばひと泣きして終わりで瘢痕も記憶も残りません。
決して液体窒素など他の冷凍材料を使わないこと、時間を正確に測ること、処置後の創部の安静を保つことの3つが守れればレーザーを持たない皮膚科でも、小児科でも治療できます。血管内皮細胞は凍結するが真皮のコラーゲン線維(低温に強い)の構築が壊れないため瘢痕にならないのです。熱を加えるレーザーよりも優れているかもしれません、
レーザー治療費は診察の上決定します
実際の治療に当たっては、細かい面積計算は行なわず、切手大1万円、名刺大3万円(消費税別)などのように大雑把に概算で行ないます。小部分のテスト照射は税込11,000円程度です。自費診療のため診察料、予約料等が別途かかります。
当クリニックでは治療対象を大人に限っていますので、実際にはレーザー治療で治ってしまうことは稀です。大人の場合はいちご状血管腫が残っているのではなく、瘢痕になっているか、海綿状血管腫という消えない血管腫になっていることが多く、切除手術を併用することになります。手術料は顔面の傷痕の出漁に準じます。
毛細血管拡張(赤ら顔など)
顔面や体などにある毛細血管は通常目に見えませんが、拡張して皮膚全体が赤みを帯びたり、あるいは細い糸くずが絡まり合ったように目に見える状態になることがあります。
紫斑(皮下出血)の起こるレベルで強く照射すると、不要な血管が破壊されて消失し、数回の治療でかなり改善します。ただし、症状により再発することもあり、また紫斑が生じると日常生活に支障があるため、美容的な目的で照射する場合は通常弱目のエネルギーで照射し長期の加療が必要となります。
治療費は上記シナジーの治療に準じます。
赤面症にはレーザー治療はお勧めしません
毛細血管拡張に良く似た症状に、しゅさ(いわゆる赤ら顔)や赤面症(時間や環境によって赤みが短時間に出たり消えたりします)などがあり、これらはレーザー治療以外の治療法を選択しても良いかもしれません。
しゅさ(いわゆる赤ら顔)は内服治療でもかなりの程度改善します。レーザーは良い治療法ですが、レーザー単独ではなく他の治療法も併用する方が効果が上がります。
これとは異なり赤面症は自律神経の働きで血管の拡張収縮が短時間に起こり症状が動的であり、血管が増えているわけではありません。心理的な原因がベースにある赤面症にはレーザー治療はあまり効果がなく、むしろ心療内科などで心理治療を行なうべきです。
補足: 下肢静脈瘤
細い静脈が皮膚表面に赤く、あるいは薄青く浮いて見える程度のもの(直径1ミリ以下の表在性血管)はシナジーのマルチプレックスモードが最適です。ただし、静脈を確実に閉塞させるには強い出力が必要となり、やや痛みの強い治療となります。
青いこぶが下肢の皮下にたくさんできる重症のものは、従来入院の上ストリッピング手術(皮下の血管を引き抜く手術)が必要とされてきました。
症状が一部分に限られる軽症のものであれば、局所麻酔手術でその部分の皮膚を小切開し、静脈のこぶになっている部分や不全交通枝(弁が壊れて深部静脈と繋がった血管が逆流している部分)などを部分切除・結紮を行なう事で改善できます。このような手術を形成外科で積極的に行っている施設もあります。
しかし現在では血管内レーザーなど強いエネルギーを照射できるファイバーを血管内に入れて、血管内部から焼灼する技術が普及してきたため、注射で行なう硬化療法や接着剤注入と組み合わせて行う治療が効果的です。この方法は血管に精通した血管外科の医師が行なうべきですが、最近では形成外科で行う施設もかなり増えてきました。大江橋クリニックでは、院長が開業前からお世話になっている熟練した血管外科専門医をご紹介しています。
静脈瘤のレーザー治療費
部位や面積、血管の深さなどで細かく設定を変える必要があり、実際に症状を拝見してからの相談となります。
通常1〜数万円程度の治療になります。