通常、総合美容コースの最後にレーザー照射に引き続いて行います。施術の直前に医師が調整した導入液を、微弱な電流の力を借りて肌の奥に浸透させます。
お肌の状態によっては、医師の判断によりこの治療を省きレーザー治療中心にしたり、順序を変えたりすることもあります。通常ビタミンCを主成分とし、ニキビ肌、乾燥肌などにあわせて院内で独自に調合した導入液を使用しています。
特殊な治療目的の場合は、ビタミンE、トラネキサム酸、ニキビ用抗生物質、ヒアルロン酸など様々な薬用成分を用いたり、これらを混合したりして医師が施術前に調整します。
※ 薬液の調整や電流の強さ、施術時間などはその都度施術を行う医師自らが決定します。成分調合は通常当日に行なっています。詳しくは医師にお問い合わせください。
通常は市販されいるビタミンC誘導体である「アスコルビン酸リン酸ナトリウム」の白色粉末を精製水で溶解し、これに医療用(注射用)ヒアルロン酸や皮膚科診療に用いる保湿成分、化粧水などに用いる保湿成分などを加えて混和し、患者さんのアレルギーの有無や肌の状態、当日の気候や室温等に合わせ適宜調整しています。
この方法で導入できる成分には分子量(分子の大きさ)や荷電(イオン化の程度)などによって制限があり、例えばコラーゲンやヒアルロン酸などの大きな分子はイオン導入できません。
(ヒアルロン酸などは肌の奥には導入されませんがお肌の表面に残り保湿物質として作用します。)
また、プラセンタなどの内容不明の混合物は、どのような成分が導入されているかの医学的データがなく安全性にも問題があるため、使用しておりません。
※ ナースによる施術は行っておりません。すべて医師が直接施術いたします。
※ Oebashi Magic以上のコースではフェイシャルマスクを利用したより強力な導入を行います。
イオン導入の方法
レーザー治療に引き続きリクライニングシートになたままで行います。導電性を高めるため、精製水で湿らせたガーゼを電極(陽極側)の金属棒に巻き、それを陽極としてどちらかの手で握っていただきます。
陰極側のハンドピースにコットンを巻きつけ、調整した同乳液に浸した上でお顔の肌に触れ、刺激がないことを確認した上で表面を転がすように薬液を肌に浸透させます。通常15分間程度、位置を変えながらフルフェイスで浸透させます。コンタクトレンズ装用などの場合があるため瞼の直上や唇の粘膜等は通常避けますが、状況によっては注意して浸透操作を行うことがあります。
※ フェイシャルマスクを利用する場合は、導入液に浸したマスクを顔全体に載せ、その上からハンドピースを滑らせることで導入量を増やす工夫をしています。
イオン導入器について
イオン導入器として様々な機種が市販されていますが、導入時に用いる電圧・電流と、
表皮、真皮に導入される成分の量を明らかにしている機器はほとんどありません。
大江橋クリニックでは、院長自身の使用経験が長く、効果がはっきりしている機種を使用しています。
株式会社インディバ・ジャパン製のハイビタリオンは、現在は販売を終了し後継機に引き継がれていますが、後継機の機能説明にも下記の実験結果が用いられており、実際上データの真実性・正確性に関しては大江橋クリニックで使用している本機種が優っていると思われます。
古い機械ですがメンテナンスをきちんと行って使用しています。
※ 実験データは、県立広島大学生命環境学部生命科学科 三羽信比古教授グループによる。
通常の導入では、上図の実験2よりやや強い設定としていますが、
マスク導入では実験3よりも更に強い設定で行なっています。
導入に伴うトラブルは現在のところ経験していません。
イオン導入に伴うリスクについて
薬液を院内で調整していますので、かぶれや刺激感などが生じた場合は次回から成分を変えるなどして対応しています。ビタミン剤に対するアレルギーはほぼ考えにくいので、保湿剤の成分を工夫しています。それでも年間に1〜2人程度、赤みや発疹が生じるケースがあります。その際は皮膚科で治療を行います。
導入に用いる電流は微弱なため、電流による障害や火傷などは通常生じることはありません。