大江橋クリニックで行なっている主なまぶたの手術
瞼の悩みのいろいろ
眼瞼下垂症手術を美容手術で行う
眼瞼挙筋腱膜前転法
通常は、先天性・老人性・腱膜性などの原因を問わず、まずこの方法で手術を行います。
挙筋機能が低下していても前転量や固定位置の工夫により、症状をかなり改善させることができると考えています。
吊り上げ法や瞼板切除法などは基本的に行っていません。
一定の診断基準に照らして「眼瞼下垂症」の症状がある場合は→ 健康保険で手術を行います。
眼瞼下垂ではないが皮膚がたるむなどの症状があり、皮膚切除等を行う必要がある場合は、→ 上眼瞼除皺術の対象となります。
単にもう少し眼をぱっちりさせたいなど、その他の美容的な目的で眼瞼挙筋を短縮前転する場合は自費診療となりますが、手術法には特に違いはありません。
通常は重瞼切開法と似た仕上がりになります。
二重にしたくない、目頭の処理を同時にしたいなど特別なご希望がある場合は、
医師にご相談ください。
※挙筋短縮と挙筋前転の違いを、短縮は筋の切除であり前転は切除しないタッキング
であるかのように誤解されている方がいます。
実際には混用される場合もあり、両者の折衷的な術式もあり、術者によって考え方も様々です。
当院では「短縮前転法」とよび短縮して前転する方法を用いますが、
原則として筋を切除はしません。
健康保険が適用される条件 → 詳しくは眼瞼下垂のページへ
健康保険の適用条件として厳密に決められた症状や検査などは特にありません。
医師の裁量権により、医師が眼瞼下垂症と診断すれば、眼瞼下垂症手術を健康保険で行うことは可能です。診断基準が明確に規定されていないため実際にはグレーゾーンです。
一般に眼科では「視機能(視力や視野)に影響が及んでいるか」を重視し、形成外科ではそれに加えて「自律神経症状などの苦痛を伴う自覚症状があり、手術で改善可能と予測できる場合」に手術を行う傾向があります。
美容目的との区別は難しく、このため近年、眼瞼下垂症状がない患者さんが美容外科等で手術を受けた結果、思わぬ後遺症に苦しむ例が増えています。
逆まつげ(睫毛内反症)の手術
基本的には自費(美容手術)で対応しています
逆まつげの治療は眼科で行われることが多く、簡便には睫毛抜去(睫毛を抜く)を繰り返したり、まぶたの表裏をキルティングするように糸で縫合したりします。
軽度のものはそれで効果が出るのですが、睫毛の生え方は人それぞれで、かなり複雑な操作をしないと睫毛の向きを変えられない患者さんも稀ではありません。
大江橋クリニックでは、再発を防ぐために色々と工夫するとともに、手術の痕を目立たさないように丁寧な手術を心がけています。
(睫毛)内反症(逆まつげを含む)
切開法が基本です
いわゆる逆まつげには、1本ないし数本のまつげが、瞼のグレイライン(結膜と皮膚との間にうっすらと見える細い灰色のライン)より内側に生えている場合(睫毛乱生)と、生えている位置は正しいが方向が外側に向かわず黒目(角膜)の方にカーブしてしまう場合(睫毛内反)、更には瞼の構造そのものが内側にまくれ込んで、睫毛がすべて内側を向く場合(眼瞼内反)などがあり、すべてを同一の方法で治療する事はできません。
また、上眼瞼の場合と下眼瞼の場合では、病因や重症度などに違いがある事が多く、なかなか一筋縄では行きません。
大江橋クリニックで「内反症手術」を保険で行なわなくなった理由
埋没法による内反症手術は効果が限定的
上瞼の場合、重瞼埋没法に準じた術式である程度の効果を出す事ができることもありますが、埋没法の場合、目頭側と目尻側の矯正が十分にできません。実際には所謂蒙古襞の内側や目尻のかぶさりの部分で睫毛が内側を向いている方が多く、切開法でないと症状の改善が見込めない場合が多いので、埋没法はめったに行ないません。切開法による上眼瞼の内反症手術
この症状が出るのはいわゆる一重瞼(ひとえまぶた)で蒙古襞の緊張が強い方が多いように思います。二重のラインで皮膚を切開し、余分な皮膚と眼輪筋を切除しますが、その際に蒙古襞を形成する靭帯を切断して緩めたり、目頭切開のように皮膚を入れ替えたり、睫毛の毛根部分を剥離して動きを良くしたりする必要が出てきます。こうした細かい作業は時間がかかり、保険で定められた点数(同様の自費手術の7〜8分の1程度)では全く赤字になります。以前はボランティアのつもりで行なった時期もありましたが、手術件数が増えるほど赤字がかさみ、割り切れなさを感じたままの手術では患者にとっても医師にとっても不幸な事と考え、きっぱりと保険適応をやめました。下眼瞼の内反症手術
この症状は下眼瞼の眼輪筋の緊張が強く、瞼板の上に乗り上げて睫毛を内側に押すタイプ(若い人、特に子供に多い)と、反対に瞼板を支える靭帯が緩んで内側に倒れ込むタイプ(老人に多い)とに分かれます。前者は眼輪筋をある程度切除し、特に下方視の際に眼輪筋がずり上がらないように瞼板に固定する必要があり、重瞼切開法の下眼瞼版のような手術になります。
後者は、下眼瞼の瞼板を牽引する靭帯(上眼瞼の眼瞼挙筋に相当)を瞼板から切り離して位置を調整し、眼輪筋のボリュームを減らして瞼の前葉と後葉のバランスをとる手術となり、上眼瞼の眼瞼下垂症手術に似た手術となります。
いずれも時間もかかり細かい調整が必要な手術となり、これも相応のコストをいただくべきと考え保険適応をやめました。
美容外科で行うまぶたの手術 通常自費で行うもの
重瞼(二重まぶた)手術
切開法が基本です
まぶたの形は人によりさまざまです。基本的には生まれつき存在するラインを尊重した方が顔全体のバランスが取れますが、目頭の部分は切開線の開始位置によって印象がだいぶ変わります。(症例は他院で3年前に重瞼幅の狭い埋没をしたが、目頭が末広型に近くなったため、重瞼幅は細いまま切開法でやや平行型に修正し、合わせて少しまぶたをスッキリさせてまつげを心持ち上に向けています。)
切開法による重瞼術は、最も基本的な術式です。すべての人に適応があり、手術結果も安定しています。傷はきれいに治れば目を閉じてもほとんどわかりません。
適応: すべての瞼に向いています
<以下編集中>
瞼のたるみは皮膚を切り取るのがベスト
どのラインでどう切るかがポイント
伸びた皮膚を縮める事は可能か
瞼の皮膚は人体で一番薄い皮膚。引っ張れば簡単に伸びます。
瞼の皮膚の縦径は、思春期頃は最大で25ミリ程度ですが、高齢者では40ミリを超える事が少なくありません。
数十年の間に、実に60%以上も伸びた事になります。
伸びた皮膚はレーザーなどで加熱してもあまり縮みません。
※ サーマクール・アイが引き締めに効果的と言われますが、当院での治療実績がないため判断は控えさせていただきます。
伸びた分だけ切り取る事が、現時点での最良の解決法と考えております。
眉下切開は、高齢の女性にのみ適応があると考えます
多くの場合化粧をしなければ隠せない傷が残ります
インターネットで術後写真を検索してみる事をお勧めします。
ほとんどの眉下切開の症例写真にはっきりとした傷痕が見て取れます。
稀に非常にきれいに治ったとしても、多少の不自然さは否めません。
※ 傷痕は見えないほどきれいに治るから心配ない、と言われ他院で手術を受けた患者さんから相談を受けることがあります。
二重のラインで皮膚を切るのが自然です
自然な二重のラインとは
二重のラインは、眼瞼挙筋腱膜の端が皮膚まで伸び、筋肉が縮むとき皮膚を奥に引き込む事で生まれます。
従って、その位置を見つけ、そこから外れないように切開する事で自然な切開ラインが生まれます。
通常、この生まれつきの二重のラインは、眼輪筋の瞼板前部と眼窩部を分けるように走っていて、その上下で皮膚の厚さがやや異なり、色もよく見ると違っています。細い血管がラインに沿って走っていることもあり、人によっては白っぽい筋になっていたり、そのラインに平行して小さな毛穴が並んでいたりします。
多くの日本人の場合、瞼の中央付近で計ると、睫毛の生え際から7ミリ程度のところにラインがあります。
重瞼ラインを広めにとりたい場合、9ミリ程度まで広めにとることは可能です。
※ 白人など違う人種の場合、より高い位置にある事が多いようですが、数値で示せる程経験がありません。