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口唇のレーザー治療についての基本的な姿勢
〜 about Lip Therapy 〜

【口唇のみのレーザー治療は行いません】

口唇周囲のトラブルのみを対象としたレーザー治療は行ないません 赤唇のフォアダイス状態、口唇の色素沈着、口唇炎(剥脱性口唇炎など)の皮膚科的治療、口唇・口腔内のできもの(口唇粘液嚢腫、静脈湖等)の摘出等はお住まいの近くの耳鼻科や皮膚科等でご相談ください。

※ 他のサイトからのリンクや記載内容は当クリニックとは一切関係がありません。

口唇の治療を専門としていません

大江橋クリニックでは従来から唇の治療を専門として行なっていません。
これまではご相談があれば出来るだけお断りしないように対応してきましたが、多くは一般の皮膚科やお近くの耳鼻科等で普通に治療できる疾患であり、大江橋クリニックで他のご相談に優先してお引き受けする必然性はありません。
口唇口腔粘膜は耳鼻科の守備範囲であり、皮膚科でも扱います。色素沈着などは皮膚科の治療をきちんとしていれば治るものが大半です。口唇口腔のできもの等は耳鼻科で対応してくれます。

皮膚科できちんと治療することをお勧めします

過去に当クリニックでお引き受けした方の多くも、かかりつけの皮膚科等で相談していれば治療できたと思われる方でした。熟練した皮膚科医でも患者さんから相談がないのにマスクの中の疾患を見つけて治療はできないでしょう。またアトピーなど顔の皮膚炎の治療をきちんとしていない方が多く、それが悪化の原因である方もいました。レーザー照射だけで完治することは難しく、本来当クリニックが目指している美容診療とは方向性が異なります。他院の受診をご検討ください。

※ お顔の美容治療の一環として口唇の治療を行う場合はあります。お顔の治療を行う際に「唇を除外する」という意味ではありません。

もちろん唇は顔の部品の一つですから…

このページのここから下には、口唇の治療の症例等を情報提供として例示しますが、技術的問題でできないのではなく診療姿勢として口唇のトラブルを主訴とした治療は行わない、とご理解いただきたいと思います。

※ 以下の記述は情報提供用です

唇の形を整える手術と口唇の治療について

口唇形成手術 上下各 220,000円〜275,000円 [症状によりご相談]

※  部分的な修正や他院術後の再手術などはご相談の上費用を提示させていただきます。

唇の厚さと美しさ

唇の厚さは文学の世界では繊細さ、感情の豊かさ、意志の強さ、人情味、など様々な人格や性格と結びつけて表現される傾向があります。
一般的には薄い唇は理知的、切れ者など知能の高さ、仕事上の能力などを象徴する反面、冷淡さ、酷薄、情感の薄さを象徴する事が多いようです。
一方厚い唇は情熱的、人情味豊か、意志が強い、など主に情感の豊かさを現しますが、逆に厚かましさ、愚鈍さなどの象徴に使われたりもします。

顔の中での位置や上下のバランスがとれていれば、厚くても薄くてもそれなりの美しさがあり、一概にどの程度がベストとはいいにくいのですが、おおむね下唇の方が上唇より20%程厚い方が好ましいとされています。

赤唇部と白唇部の傷の治り方の違い

唇の赤い部分は粘膜特有の組織で、切開した傷の治りも早く傷痕もほとんど残らないところです。
対照的に白い部分はケロイドや肥厚性瘢痕になりやすく、また丸く盛り上がって治る傾向があるため、理想的な形(外側に反るように中央がややくぼんだ形)を手術で作り上げるのは非常に困難を伴います。
また境目はホワイトロールと呼ばれる線状にやや盛り上がって穏やかに移行する部位で構成されていて、ここを切ってつなぎ合わせると不自然な印象になることがあります。

このため、切開する際はできるだけ口の中や唇の赤い部分を切るようにし、白い部分をやむを得ず切開する場合はデザインや縫い方を工夫する必要があります。
顔の部品は瞼、耳、鼻、唇とそれぞれに特色ある性質を持っていて治り方も全く違います。

鋭角を作るのは難しい

口角は、目頭・目尻と並んで顔の中でくっきりとした鋭角が際立つ場所です。
傷痕のコラーゲンは固まる前は液体の性質を持つため、徐々に水玉のように丸く盛り上がって治ろうとします。表面積が小さいほど傷は早く治るわけですから、理にかなっています。
目尻や口角が鋭角を保っていられるのは、強力な靭帯が左右に強く引っ張っているからなので、ここを傷つけるとたちまちそこはゆるやかなカーブに変わってしまいます。

きれいな口角を形成するためには様々な工夫が必要です。

厚い唇を薄くするために口の中で粘膜を切除します。
上下とも手術可能ですが、通常は上下どちらか片方ずつ行います。

粘膜部分は傷が残りにくいですが、うっすら白い線が残る人もいます。
薄くしたい幅よりも1.5倍ほど幅広く切り取る必要があり、術後しばらくは腫れているので、予想通りの結果に落ち着くまでしばらく時間がかかります。

厚みのある唇を少しだけ薄くして 自然な輪郭になった例

上が術前。
下口唇を先に手術し、2週間後に上口唇を少し薄くしました。上口唇を手術してから更に2ヶ月経過した頃の写真が2段目です。上口唇はまだ腫れていて、正面の静止画像ではあまり薄くなっているように見えませんが、下口唇は術後3ヶ月ほどで形は落ち着いてきました。下段の写真はそれから更に1ヶ月経過しています。
多くの場合3ヶ月から半年程度で形が落ち着くので、その間は時々経過を見せていただきます。実際の表情ではかなり差があります(下の説明参照)。

最下段は下口唇から切除した粘膜です。

唇の手術は上下どちらか片方ずつする方が良い

【口唇手術のダウンタイムは見た目よりかなり長いです】
通常唇の横幅全体を切開するため、術後しばらくはしびれて感覚がなく、口紅を塗る感覚がなかったり、食べ物を食べこぼすこともあります。
また、唇を閉じているかどうかが自覚しにくいため、知らない間に口が開いて歯が見えていることがあります。周囲の状況によっては無作法、緊張感がないなどの印象を与える恐れがあります。
感覚低下は徐々に回復しますが、数ヶ月を要することもあります。
このため上下同時の手術はお勧めしません。

切り取りすぎると不自然です

下の写真は他院の症例写真を引用したものです。確かに唇は薄くなっているのですが、薄くしたいあまり中央の切除量が過大になったものと思われます。 バランスとして不自然ですし、力を緩めると口が開いて歯が見えてしまうため、口を閉じるのに常に力を入れている必要があるように見えます。

※ 他院に対する誹謗と受け取られる恐れがあるため、引用元は明示しません。
※ 切除量の決定は慎重に行うべきことを注意喚起する目的で掲載しています。

上記症例の術後の経過説明

下口唇手術1日目 腫れています
感覚はあまりなく、食べこぼしなどに注意が必要ですが、痛みはありません

術後1日目 口を開ければ糸が見えます
ヨーグルトや豆腐などツルッとしたものの方が食べやすく、お粥などは汚れが糸につくので注意が必要です
歯磨きは可能です

術後7日目 抜糸しましたがまだ腫れています
感覚も低下しています

患者さんの希望で約2週間後に上口唇も手術しました(術後1日)
キューピッドボウを強調しています

上口唇術後7日目の抜糸後(下口唇は術後24日)

下口唇は3週間経てば左右に広がるこんな表情も平気になります(上口唇はそれほど左右に引かれないので1週間目でも大丈夫です)

術後約2ヶ月の様子

口を開けると上口唇のキューピッド・ボウがきれいに見えます。
対照的に下口唇の縁はなだらかです。

自信がついて笑顔も見られるようになり、微笑んだ感じも自然です。

笑うと唇が厚いという感じはあまりしません。

5ヶ月ほど経過すると違和感も軽快し、様々な表情も自然にできるようになります。

左(術後5ヶ月)同じような表情の3ヶ月前(右の写真)と比べても、かなり腫れが引いています。

術後半年で一応診察終了です。(口唇のあれの治療中でワセリンを塗っているため白く見えます)。

患者さんは他の美容目的でその後も長く通っていただきました。

下口唇は上口唇の20%増し程度の厚みが理想的と言われています。
口の中を切って粘膜を動かし厚くする事もできるのですが、そのためには横幅を狭くして少し口を小さくする必要があります。

このため、厚くする場合にはヒアルロン酸や脂肪などを注入して組織量を増やす方が簡単で結果も良いようです。
厚くする手術を皮膚を切り取って行なう事もできますが、傷が残りやすく境目が不自然になるため、特に事情がない限りあまり行ないません。

ヒアルロン酸で唇を厚くする

1.0mlあたり 88,000円 注入手技料 11,000円

フィラー

唇の輪郭をはっきりさせるのにヒアルロン酸を注入することで、即効性のある治療を行うことができます。
注入量は通常1.0ml以下でおさまります。

フィラーでボリュームを持たせるには唇のリップライン(赤唇と白唇の間のホワイトロールと呼ばれる部分)をくっきりとさせることが重要です。
上口唇ではキューピッド・ボウの頂上を少し尖らせるように注入します。

敏感な部位への注射のため痛みを伴いますが、麻酔薬が添加されており徐々に刺激は軽減します。

施術後から翌日にかけて腫れるので、控えめに注入して後日タッチアップをした方が結果が良いようです。
麻酔薬を混合しているため、感覚が一時的に低下します。注入後数時間は食事などに気をつける必要があります。

注入後の後戻りやボリューム減少には個人差がありますが、通常は数年程度は効果が持続します。

上口唇を短くする手術は、通常唇と鼻の境目を切りますが、稀に傷痕が目立つ場合があります。万一そうなった場合修正が困難なことがあります。
また唇と歯の関係がかわり、笑った時などにいわゆるガミースマイルという状態になり、表情に違和感が生じることもあります。
このため短縮術は当クリニックでは行なっていません。

口角をあげるために皮膚を三角に切り取る手術がありますが、傷痕が目立ち不自然になることもあるので、安易に行なうべきではないと考えています。
口角の下、マリオネットラインの始まりの部分は、口角を引き揚げる筋肉の付着部であり、人によっては硬く凹んでいてフィラーを注入しにくい部分です。しかしリップラインを外上方に連続させるようにフィラーでボリュームを持たせると、比較的自然に柔らかい表情を作ることができます。

口唇の疾患と美容治療

女性の口周囲

口角付近や下口唇中央などに生える比較的濃い毛、顎付近に生える太い毛などは数回で効果が現れますが、産毛に近い薄い毛が密集している場合などは高いエネルギーで繰り返し照射しないとなかなか効果が出にくいので回数がかかります。

男性の上口唇

男性のひげの中では難しい部分です。
顎などに比べ比較的細い毛が、非常に密度が高く密生しています。細い毛は高いエネルギーが必要ですが、密度が高いため発生する熱量が多くやけどを起こしやすい部位です。(眉やフェイスライン、うなじの生え際などに似ています)
最初はエネルギーを低めに設定し、間隔を詰めて徐々にあげていくなど工夫が必要です。

男性の下口唇・顎

顎は毛が太く、毛根も深い位置にあります。下口唇の中央など細い毛で密度が高い部分もあります。顎下から頚にかけては皮膚が薄く赤みの出やすい部位で、照射後に毛のう炎(毛穴に膿を持ったニキビ)が多発することがあります。
皮膚の状態によっては、照射後に抗生物質などの内服が必要となることがあります。

→ レーザー脱毛

→ 脱毛料金表

→ 男性ヒゲのレーザー脱毛

男性の口唇周囲脱毛の症例(少し薄くする)

唇の瘢痕拘縮

唇裂の手術後や外傷後で、唇の組織が不足したり傷痕がひきつれて、口が十分に閉じなかったり開口障害が残った場合などは、健康保険で手術できることもあります。
症状によっては美容と見なされることもありますので、まずは医師と十分ご相談下さい。

傷跡をきれいに(瘢痕拘縮形成術)

唇の外傷後の傷痕・色素沈着

転倒してできた擦り傷の中にアスファルトの粉などが残り、青黒い刺青のようになったものは、外傷性色素沈着症(または外傷性刺青)といいます。
レーザー治療のよい適応で、繰り返す事によりほぼ完全に取り除くことができます。

ルビーレーザー

口唇周囲のほくろ(色素細胞性母斑)

生まれつきあることもあれば(先天性色素性母斑)大人になってから発生することもあります。
盛り上がって目立ってきてから受診されることが多いのですが、盛り上がったものは原則的に手術で切除します。(レーザーはとりきれずに再発することがあり、傷痕も目立つことがあるのでお勧めしません。)

大江橋クリニックでは可能であれば丸くくり抜いて巾着縫合します。
大きさにもよりますが、時間の経過とともにほとんど目立たない傷痕になります。

唇のホクロ治療で大切な事は以下の通りです

  1. 基本的には確実に全体を切除して組織検査を行なうべきであると考えます
  2. できるだけ小さく形なりに切除して、可能であれば巾着縫合すると傷が早く目立ちにくくなります
  3. 唇周囲の傷痕は赤みが長期間ひきにくく、肥厚性瘢痕やケロイドになる可能性があります
  4. レーザーや電気メスで熱を加えた傷は治りが遅くケロイドになりやすい傾向があります
  5. 唇の粘膜面や口腔内のシミのようなほくろはレーザーでとっても傷になりにくいですが、悪性が疑われる場合は確実に切除する必要があります

色素性母斑・青色母斑

ホクロはレーザーできれいにとれるのか

イボや表皮嚢腫など唇の皮膚面のできもの

基本的には皮膚のできものはホクロと同様に形なりに全切除、皮下のできものは小さな切開からくり抜き切除を行ないます。
腫れたり痛みのある場合は、まず抗生剤内服などで炎症を抑えてから治療法を判断します。

大きな傷はきれいに治りにくい場所なので、できるだけ小さく形なりに切除します。
傷の形や大きさによっては、長期間のテーピングをお勧めすることがあります。

粘液嚢腫、静脈湖など口の中のできもの

通常は粘膜面を切開して、くり抜き切除を行ないます。
治りやすく感染も起こしにくいですが、術後しばらくは食事に注意してください。

傷がすぐ治り、縫った糸が粘膜の中に埋もれてしまうことがあるので、糸の先を長く残します
手術直後は少し出血しますが、すぐに止血しますので通常は心配ありません

赤唇のシミ

ほくろや唇に発生したできものの場合もあり、まず診断を確定する必要があります。
形のはっきりした濃いものであればルビーレーザーなどできれいに取れることがあります。

外傷性色素沈着症

唇周囲の炎症性色素沈着

赤唇部の縁が青灰色にくすんでいたり、周囲がうっすら茶褐色に縁取られていたりすることがあります。
口唇炎が治った後に色素沈着が長く残った場合などに見られます。レーザーは効果が少なくあまりお勧めしていません。内服薬も効果があります。

口唇の色素沈着

  • ほとんどの方がアトピーなどのアレルギー素因をお持ちです
  • レーザー治療の効果は限定的です。一時的に取れてもすぐ再発することが多く、早ければ2週間で元に戻ってしまいます
  • 基本的には皮膚炎、口唇炎、アレルギーの治療などを先に行います
  • 数ヶ月から数年の長い経過で徐々に軽快することが多いです

口唇ヘルペス(単純疱疹)

子供のうちに感染することが多く、成人の7割以上が単純ヘルペスウィルスを体内に持っています。
ウィルス自体は病原性が弱いため免疫で完全に排除されず、体内に残っていて、風邪や心労、ストレス、抗がん剤治療・日光等の刺激によってウイルスが一時的に増殖して症状を繰り返します。

口唇ヘルペスの治療

  • 根治することは難しいので、再発したときに内服薬等で治療するのが基本になります
  • 多忙や体調の悪化など、皮膚科受診しにくいときに発症することが多いので注意が必要です
  • たびたび繰り返す人は、あらかじめ内服薬を準備して出始めのときに内服すると重症化を防げます
  • 毎日内服して再発を防ぐ方法があります

血管性浮腫(クインケ浮腫)

Studio 65のかわいいソファ マリリン

でも自分の唇がこんなに腫れたらかわいいなんて言っていられません。

じんましん(蕁麻疹 蚊にさされたようなかゆみの強い盛り上がる「膨疹」が急にでき、数時間で消えるもの)に伴い、その部分症状として、または単独に、唇が分厚くやや硬く腫れることがあります。

通常のじんましんと異なり、腫れは1〜2日続きます。かゆみはあることも、ほとんどないこともあります。アレルギーが原因であることは少なく、中には遺伝性の病気で繰り返し起こることもあります。

主に内服薬で治療しますが、急性で症状が強い場合には呼吸障害を伴う可能性もあり、症状により入院が必要となる場合もあります。

接触性皮膚炎

唇に接触する刺激物質またはアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)によって、口唇粘膜が炎症を起こし、水疱ができたり皮がめくれたりします。

接触皮膚炎の治療

  • 思いがけないものが原因物質となっていることがあります。まずは思いつく限りのものはいったん中止します
  • アレルギーの血液検査などは必ずしも有効ではありません
  • 症状が悪化した日やその数日前までに何をしたかを書き出してみることも有効です
  • 原因物質が分かれば避け、消炎や保湿のために外用剤を使用します。内服が必要なこともあります
  • 化粧品(口紅やリップクリーム)や歯磨きペーストなどは症状が治まってから徐々に開始しましょう

アトピー性口唇炎

接触皮膚炎と並んで多い疾患です。治療上大切な事は以下の通りです。

  • 同じ医師の下で長く治療を継続する事が最も大切です
  • アレルギーの血液検査などは必ずしも有効ではありません
  • 季節性があるので、悪くなる時期を把握しましょう
  • のみ薬などがあっていないと思ったら、医師に必ず相談する事
  • 転医するときは、今までの治療法などを書いた紹介状をもらう事

皮膚科