お肌ケアの基本は、優しく汚れを落としてたっぷり保湿。
そんなことはわかっている、という方がほとんどだと思います。
それでも「保湿」「保湿」と繰り返すのは、基本をおろそかにして間違ったケアをしている方がきわめて多いからです。
洗顔は優しく短時間、こすらないように、化粧水は時間をかけてたっぷりと、と口では言っても、そのやり方は一人一人違います。
診察時に洗顔法を伺うと、ほとんどの方は「普通に」洗っているとおっしゃいます。その「普通に」が、実際に見せていただくと実に様々で、洗いすぎ、こすり過ぎ、洗顔に時間をかけ過ぎ。汚れや化粧品を落とす事には熱心でも、ご自身のお肌をいたわる事には存外無頓着です。
その上肝心の保湿はといえば、化粧水をほんのちょっぴり、まるで肌をいじめるようにぱちぱち叩き込んだり、何度も同じところをこすったかと思えば、肝心の部分には一度も手を触れずじまい。
多分、顔の洗い方も保湿のしかたも、誰にも習っていないか、雑誌やCMのやり方を間違ってまねてしまっているかです。
土台が狂っていると、美しい塔は建てられません。積み重ねるほど傾いてきて、やがては「工事中止!」になりかねません。
私たちは、スキントラブルの大半は洗顔とメイクの時間におこると考えています。
しかし、そのトラブルの原因は化粧品のブランドやメーカーの差ではなく、ご自身の「手」の動かし方の差ではないかと思います。患者さん自身が適切な手の動かし方を身につけていただければ、トラブルは劇的に減少する。
私たちはそう実感しています。習慣になっている洗顔法や化粧水の付け方などを、一度見直してみてはいかがでしょうか。