【 完全予約制 】
症例集にはぱっと見の仕上がりの良いものではなく、さまざまな経緯と特徴のある患者さんや、一筋縄ではいかず苦労した患者さんを中心に選んでいく予定です。しかし経過を長く追うことのできた患者さんを中心にしようと思うと、どうしても一昔前の症例が中心になってしまいます。
10年前、20年前と比べると、こちらも経験を重ね技術的にも熟練してうまくなってくるので、昔の症例は見劣りがするというか、今ならもう少しいい結果が出せるのに、と思うことが多々ありますが、綺麗な症例ばかりを並べてもただの宣伝になり患者さんの役には立たないでしょう。
そういうわけで、症例の並び順は不同にして、古い症例の間に最近の症例も混ぜていきたいと思っています。皮膚切除の考え方やデザインも10年前と最近とではかなり違いがありますが、その辺は間にコメントを挟んでいきます。
もちろんこういったサイトの常として、症例写真には(リスクや合併症の説明をする必要がある場合を除き)ご本人も結果に納得されている患者さんの写真を主に使用します。しかし患者さんによっては残念ながら左右差が残るなどご希望通りに仕上がらないこともありますし、骨格や皮膚の状態、前医の手術後の傷の程度などによっては、再手術を行ってもきれいに修正できないことすらあります。そうしたものもご本人の不利益にならないように工夫しながら、なぜそうなってしまうのかわかるように経過を追って見ていきたいと思っています。
大江橋クリニックでは、たとえ条件が悪くともそれなりの結果が出せるよう、それぞれの患者さんに対して真剣に向き合って治療しています。
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簡単な経過: 初診時左の眼瞼下垂を訴えて来院され、その時は確定診断に至りませんでしたが、初診2年後にご希望により左側のみ手術しました。腱膜性の眼瞼下垂症で右側にも軽度の下垂症状がありましたが、その時は右側の治療は希望されませんでした。
左の術後9年目に右側も下がってきたので治したいと受診されました。その際左側も上眼瞼に生じた凹みを改善する方が良いと考え両側を同時に手術(右は再手術)しました。
さらにその6年半後(初診から17年後)に瞼が重いと相談に来られましたが、左右とも眼瞼下垂症状の再発はなく、内分泌疾患による脂肪減少が原因と考え、総合内科をご紹介し、眼瞼下垂の手術は勧めませんでした。ご希望により今後皮膚のたるみ取り手術を計画中です。
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簡単な経過: 35歳女性、約5年前から瞼が重くなってきた。
自転車競技をしており自転車に乗ると目が開きにくく前が見にくい、
子供の頃から目が小さく左の視力が少し悪いがコンタクトはしていないとのこと。
瞼裂幅がやや小さく、目の間が離れています。
計測上挙筋機能が低下しており、先天性眼瞼下垂症も疑いました。
結局眼瞼挙筋の発達には問題なく、腱膜付着部の上方偏位による腱膜性が主体の眼瞼下垂症でした。眼窩脂肪が瞼の縁まで下がっていました。
ミュラー筋と眼瞼挙筋を別々に剥離し、重ねて6ミリ前転、脂肪は眼輪筋と合わせて切除しました。
術後は翌日になっても数ミリしか開きませんでしたが、徐々に改善し抜糸後はきちんと開くようになりました。
左眉がやや上がりわずかに左右差ありますが、目は非常に開きやすくなりました。
手術の結果には個人差があり、また同じ患者さんの左右の瞼でも筋肉の発達や組織の厚さなどにはかなり差があります。しかし、術後の安静が保て経過が良ければ順調に腫れが引いて日常生活に戻れます。
様々な眼瞼下垂症の初回・修正手術をはじめ、瞼のたるみの改善、瞼のできもの切除など、瞼の形を損なう様々な原因をとりのぞき、瞼をきれいに整える手術を得意としています。
重要: 医療は、まずきちんと診断し、それに基づいて治療計画を立てることが基本です。ところが普段「病気ではない」患者さんを対象としている美容外科では「診断」の根拠がはっきりしないまま患者さんの希望に沿って、本来病気を治療するはずの手術が安易に行われてしまうことがあります。
病因や病態を見極めることなく気軽に「眼瞼下垂症手術」を行うことは、時には危険を伴います。手術をしても意味がなかったり、してはいけない場合もあります。
美容外科医による眼瞼下垂症手術を否定するわけではありません。技術的に非常に綺麗な手術をする医師もいます。しかし、一般的に診断の部分が甘いため綺麗な結果が出ない場合も多いという印象を持っています。
眼瞼下垂の診断・手術を希望して受診される患者さんのおよそ7割以上は「眼瞼下垂症」の症状がありません。まぶたが細く見える、あるいは肩こり・頭痛がある、などの症状だけでは眼瞼下垂症とは言えないことが多いのです。もちろん何らかの「症状」はありますが、それが眼瞼下垂とは結びつかないことが多いです。(他院の術後、不満足な仕上がりなどで相談される場合なども、眼瞼下垂の症状「だけ」は治ってしまっていることがあります。)
特に多いのが加齢等による「まぶたのたるみ」と「生まれつきのひとえまぶた」です。これは病気とは言えず、「たるみ取り手術」「重瞼(ふたえ)手術」の適応になります。大江橋クリニックではこうした美容的な手術を行う際にも必要があれば眼瞼挙筋腱膜を固定する手術を追加して行っています。挙筋腱膜前転術を型通り行うこともあれば、ミュラー筋のタッキングを行ったりもします。逆に眼瞼下垂症の改善を優先する場合でも十分に美容的な側面を考慮して行い皮膚のたるみを切除したり重瞼幅の調整などを行います。両者の手術法に特に違いはありません。
健康保険の対象となる挙筋前転法の眼瞼下垂症手術は、大江橋クリニックの行っている手術を構成する手順の一部であり、当クリニックでは一般的な眼科や形成外科等で行っているものより総合的でグレードの高い手術を行なっております。
もちろん手術ですからダウンタイムもリスクもそれなりにあり、回復までの時間にも個人差がかなりあります。
また元の症状の違いによって誰でも左右差なく綺麗に治るという保証はありません。特に、眼瞼挙筋の力が生まれつき左右で違う先天性の眼瞼下垂では、一度の手術で左右差を完全に無くすことは難しいものですし、筋肉の動きが悪い場合には「ぱっちりあけてしまう」ことで逆に「目がつぶれない」という症状が悪化してしまうため、ほどほどの改善で我慢しなければならないこともあります。
患者さんの日常生活で何が困るのかを考慮せず、単純に「ぱっちり開くように」手術され、術後のフォローも不十分なため苦しんでいる患者さんも時々見られます。手術後は眼瞼挙筋だけでなく目の周りの多くの筋肉が今までと違う動きをするようになるため、人によっては術後の「筋トレ」が必要になったり、落ち着くまで数ヶ月を必要としたり、視線を動かす時に不自然にならないように練習しなければならないこともあります。
手術とは、そうした術後管理も含めて一つの治療です。手術したらそれで終わりではなく、術前から術後まで長い時間かけて良い結果を得るよう努力することで、初めてその手術が成功したと言えるのです。