鼻アレルギーは鼻炎の1つです。
鼻アレルギーの有病率は増加しており現在の有病率は12〜15%と推定されています。
増加の原因には諸説があり、抗原の種類と量の増加が最も重要視されています。
特にハウスダスト中のヒョウヒダニ、スギ花粉の増加が著しいとされています。
ヒョウヒダニの増加には気密な住宅構造、ソファー、カーペットなどの生活様式、エアコンの普及など生活の西欧化があげられています。
スギ花粉の増加には戦後大量に植林したスギが花粉を大量に生産するようになったこと、気温の温暖化などがあげられています。
大気汚染、栄養、ストレスなども注目されていますが因果関係は確証に欠けているとされています。
症状としてはくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉です。くしゃみの前に鼻の痒みが生じることがあります。
くしゃみは起きたときが多く、くしゃみにひき続き鼻漏が起こります。水性鼻汁が特徴ですが、発作時を過ぎたり、副鼻腔炎を合併する場合は粘性、粘膿性成分が加わります。鼻汁にやや遅れて鼻閉が生じます。
患者さんによっては口呼吸が必要となり、口腔咽頭の乾燥、咽頭炎の併発、睡眠障害等を併発することがあります。
発作時期は季節性なら花粉症、非季節性ならハウスダストアレルギーが多いとされています。鼻閉は空気が乾燥し、寒い冬に増強することが多いようです。
発症年齢はハウスダストアレルギーの多くは10歳以下で発症しますが、スギ花粉症の発症年齢は20、30代が多いとされています。鼻アレルギーの多くはアトピー性皮膚炎で始まり、幼少時期に喘息を合併することがありますが、皮膚炎や喘息は中学生頃に自然寛解する人が多く、鼻アレルギーはこれに遅れて軽快していくとされています。
治療は、抗原の除去、回避が一番とされます。完全な除去はなかなか難しいのですが、減量には十分に注意していただいています。その上で、必要に応じ、経口薬、点鼻薬で治療しています。症状や治療中の病気によって治療薬は変わります。お困りの症状をお伝え下さい。