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アレルギー疾患解説
〜 about Allergic Diseases 〜

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アレルギー科で扱うことのある疾患の解説

簡単に概略のみを述べています。疾患によっては例外もあります。
詳しくは診察時にご相談下さい。
メール相談は行なっておりません。


アレルギー科で扱うことのある疾患の解説

花粉症は年間を通じてみられます

スギの花粉(電子顕微鏡写真)       ブタクサの花粉(電子顕微鏡写真)

花粉によるアレルギーです。主に鼻と眼に症状が現れます。
本邦では、地域差はありますが、以下に挙げる植物が花粉症を起こすことが知られています。

〜春〜:樹木花粉
スギ、ヒノキ、サワラ、ハンノキ、シラカンバ、コナラ、クヌギなど
〜夏〜:イネ科草本花粉
スズメノテッポウ、カモガヤ、オオアワガエリ、ナガハグサ、ホソムギなど
〜秋:〜雑草本花粉
ブタクサ、クワモドキ、ヨモギ、カナムグラなど

季節性が明らかで、例えばスギ花粉症の患者さんは、一般的に鼻汁が最も強く生じ、 眼症状が高頻度に出現します。その他に咽頭、皮膚のかゆみを合併することもあります。

大江橋クリニックでは、原因不昧の花粉症の疑いがある患者さんに対して、(黄色)の花粉に対するアレルギーの有無を検査することが多く、意外に多くの方がアレルギーをお持ちです。

鼻アレルギーは鼻炎の1つです。
鼻アレルギーの有病率は増加しており現在の有病率は12〜15%と推定されています。
増加の原因には諸説があり、抗原の種類と量の増加が最も重要視されています。
特にハウスダスト中のヒョウヒダニ、スギ花粉の増加が著しいとされています。
ヒョウヒダニの増加には気密な住宅構造、ソファー、カーペットなどの生活様式、エアコンの普及など生活の西欧化があげられています。
スギ花粉の増加には戦後大量に植林したスギが花粉を大量に生産するようになったこと、気温の温暖化などがあげられています。

大気汚染、栄養、ストレスなども注目されていますが因果関係は確証に欠けているとされています。
症状としてはくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉です。くしゃみの前に鼻の痒みが生じることがあります。
くしゃみは起きたときが多く、くしゃみにひき続き鼻漏が起こります。水性鼻汁が特徴ですが、発作時を過ぎたり、副鼻腔炎を合併する場合は粘性、粘膿性成分が加わります。鼻汁にやや遅れて鼻閉が生じます。
患者さんによっては口呼吸が必要となり、口腔咽頭の乾燥、咽頭炎の併発、睡眠障害等を併発することがあります。

発作時期は季節性なら花粉症、非季節性ならハウスダストアレルギーが多いとされています。鼻閉は空気が乾燥し、寒い冬に増強することが多いようです。
発症年齢はハウスダストアレルギーの多くは10歳以下で発症しますが、スギ花粉症の発症年齢は20、30代が多いとされています。鼻アレルギーの多くはアトピー性皮膚炎で始まり、幼少時期に喘息を合併することがありますが、皮膚炎や喘息は中学生頃に自然寛解する人が多く、鼻アレルギーはこれに遅れて軽快していくとされています。
治療は、抗原の除去、回避が一番とされます。完全な除去はなかなか難しいのですが、減量には十分に注意していただいています。その上で、必要に応じ、経口薬、点鼻薬で治療しています。症状や治療中の病気によって治療薬は変わります。お困りの症状をお伝え下さい。

リンゴやピーナツにもアレルギーはあります

特定の食物を摂取すると、アレルギーにより口唇、口腔内の粘膜に限局して腫れ、かゆみが生じます。シラカンバ花粉症の方に多く発症します。
シラカンバの交差反応する抗原がリンゴなどのバラ科の果物、野菜類、ナッツ類、スパイス類などの多くの食物から検出されています。

また、シラカンバ花粉の第2のアレルゲンとして同定されたプロフィリンは、すべての真核生物の細胞骨格に普遍的に存在するタンパク質で、発生学的に高度に保存されたタンパク質で、様々な種の間で幅広く交差反応を起こします。花粉症に合併したOASにはこれらの幅広い交差反応をもったアレルゲンが関与していると考えられています。

原因のわからない蕁麻疹もあります

蕁麻疹は比較的ありふれた皮膚疾患です。15〜20%の人は一生のうちに一度は経験するといわれています。
発生機序、原因は多岐にわたり、アレルギーの関与する蕁麻疹とアレルギーの関与しない蕁麻疹があるとされています。

また多くの慢性の蕁麻疹は原因を明らかにすることができない特発性の蕁麻疹です。

主な発症因子は以下のように分類できます。

免疫グロブリンの関与する蕁麻疹(主としてIgE)
物理的蕁麻疹(機械性、寒冷、日光、コリンによるものなど)、抗IgE自己抗体、抗IgEレセプター自己抗体
補体の関与するもの
血管浮腫や温熱、膠原病、血清病、血液製剤などによるもの
非免疫性の蕁麻疹
抗生剤、造影剤、化学接触物質、アスピリン、非ステロイド系消炎剤、アゾ色素、安息香酸塩など
肥満細胞症、色素性蕁麻疹
特発性の蕁麻疹

アトピー治療には厚生労働省のガイドラインがあります

まだ万人が認める定義は確率されていません。
以前は、「子供の湿疹」と見なされていた時期もありますが、近年では成人例、成人発症例などが増加し、その特徴も失われつつあります。
現在のところ、「アトピー素因を有し、種々の抗原に対してIgE抗体で対応せんとする皮膚の炎症」という考えもありますが、IgE抗体の関与が明確ではない症例も少なくなく報告されており、すべての症例に当てはまる定義は確立されていないのが現状です。

大江橋クリニックではアトピー性皮膚炎には、日本皮膚科学会基準に基づくアトピー性皮膚炎治療ガイドラインを基本として診断、治療に当たっています。

物質が皮膚に接触することにより発症する皮膚の炎症です。
ある物質が皮膚に接触した時に、その物質の刺激性が個体の抵抗閾値を超えた場合、個体が接触した物質に感作されている場合に起こります。
大きく4型に分類されます。

原因となるアレルゲンは様々なものが報告されています。

刺激性皮膚炎:
急性型の刺激性皮膚炎の場合、原因物質に触れたすべての人に起こりえます。慢性型の刺激性皮膚炎の場合、洗剤、石けんなどの慢性刺激が多く見受けられます。
光毒性皮膚炎:
原因となる物質が紫外線により皮膚刺激性を獲得することにより生じます。
アレルギー性接触皮膚炎:
刺激性皮膚炎とは異なり、ある物質に対し、感作が成立している人のみに生じます。
光アレルギー性皮膚炎:
原因物質が紫外線により抗原性を獲得することにより生じます。

薬のアレルギーには特徴があります

薬物の服用に際し、まれに発症する望ましくない反応の中で、免疫機構が関与する薬物過敏症のことをいいます。
1962年からの本邦の調査結果によると、3.6〜7%の方に何らかの薬物反応の既往があったと報告されています。
アレルギー性の薬物反応の症状は多彩です。発生頻度の80%は皮膚を場とした反応であるとされていますが、薬物によりその好発症状は一様ではありません。
薬物を継続的に服用する場合は、異常所見が発症した場合はすぐにご相談していただくことが重要です。
また、定期的な検査を必要に応じて行うことが、薬物反応の早期発見とその重症化の防止につながるとされています。

過去にショックを起こした方は要注意です

ハチ毒の刺入により局所の腫れからアナフィラキシーまで多彩な症状を呈します。ハチが越冬を始める秋には特に注意が必要です。
過去にハチに刺されて感作されていると重症化することがあります。

お問い合わせが大変多いので特に記しますが、大江橋クリニックでは
★ ハチアレルギーの有無の証明は行なっておりません
★ エピペンの処方は行なっておりません

ハチ毒にアレルギーを持っているかどうか検査を希望される方がいらっしゃいますが、マイナス判定だから絶対安心というものではありません。このため当院ではハチアレルギーの有無の証明は行っておりません。ハチに刺されても大丈夫な証明は簡単にはできません。
また、当院ではエピペンのみの処方は取り扱っておりません。エピペンは登録機関を受診され患者登録すると処方してもらえます。

必要であればしかるべき医療機関をご紹介はしております。

ゴム手袋のアレルギーは意外に多いのです

ゴムの木の樹液にはラテックス蛋白が含まれています。
ゴム製品に残留したラテックス蛋白が原因となり、アレルギー反応を起こすことがあります。
原因となるゴム製品は日常生活において様々なものがあります。
天然ゴムの中のアレルゲンとして、数種類の蛋白が報告されていますが、現在のところ、どれが主要抗原かは結論は出ていません。
症状は、通常はラテックス製品が接触した部位に蕁麻疹を生じる限局性の接触蕁麻疹です。症状が進行すると、全身性の蕁麻疹や喘息症状、鼻炎、結膜炎などが生じる場合もあります。
また、接触蕁麻疹はIgE介在型の即時アレルギー反応によって発症するため、接触蕁麻疹をおこし痒みが生じ、それをかくことにより湿疹化することもあるので注意が必要です。

ラテックス抗原は、食物や食物抗原と交差反応を起こすことが報告されています。
何より、欧米では、手術を頻回に受ける方、アレルギー素因を持つ方、医療従事者がハイリスクグループとされていますが、本邦では、一般主婦でも発症していることが注意点の一つといえるでしょう。

急性に発生する1型アレルギーによる結膜炎です。そのほとんどが空中飛散抗原によるものとされています。抗原は日本ではスギ花粉が一番多く、季節性のものとして、カモガヤ、ヨモギ、ブタクサ、カナムグラなどがあります。通年性のものとしては、ハウスダスト、ダニ、カビの胞子などがあります。

症状は痒み、異物感、熱感、流涙などですが、痒みのために目を擦ったり刺激で、眼瞼に皮膚炎が生じることがあります。抗原を回避することが一番の治療ですが、完全に遮断することは難しいです。内服薬や点眼液で治療します。

アレルギー検査(血液検査)

 以下 編集中